初心者でも売買シグナルの判断が簡単な順張り型テクニカル分析MACD
MACD ( Moving Average Convergence and Divergence )は、初心者の人でも簡単に売買シグナルの判断が可能な順張り型のテクニカル分析の一つです。

MACDの特徴まとめ
・売買シグナルの判断難易度:初心者向けで簡単
・得意な相場 :順張り相場
基本的な使い方ですが、「MACD」と「MACDシグナル」と呼ばれる2本のラインが交差した時が、売買シグナルと判断して、買いエントリー、売りエントリーを仕掛ける事になります。2本のラインは反応率を高めた移動平均線を元に生成されます。
そのためMACDは、移動平均の売買シグナルの精度を高めた改良型と考える事ができます。移動平均線の特徴を引き継いでいるので、ボックス相場のように株価が停滞している局面に弱い点に注意が必要です。
よってボックス相場の時には、オシレーター系のRSIやストキャスティクスを利用するべきですね。
2016年8月22日更新
「MACDの計算式」と「設定するパラメータ」について
MACDの2本のライン(MACDとMACDシグナル)は、下記の計算式により算出されます。
MACDの具体的な計算式
MACD = 短期EMA(指数平滑移動平均)-長期EMA(指数平滑移動平均)
MACDシグナル = MACDのEMA(指数平滑移動平均)
具体的にソニーのチャートで、MACDの動きを表したものが下記になります。

ソニー(6758)
なお一般的な移動平均線は、「 単純移動平均(SMA) 」です。しかしMACDに利用する移動平均は、「 指数平滑移動平均(EMA) 」と呼ばれるものを使います。
下記のチャートを見ると理解できるかと思いますが、若干ですが単純移動平均(SMA)に比べて、指数平滑移動平均(EMA)の反応が早いですよね。つまり高感度で株価の動きを捉える事ができ、売買シグナルを出す効果があるという事です。

MACDの設定するパラメータ
MACDには、短期EMA、長期EMA、MACDシグナルと呼ばれる3つの設定値があります。証券会社の取引ツールによって名称が違う可能性があると思いますが、参考にトレードステーションのMACDの設定は下記のようになっています。
一般的に、短期EMAが12、長期EMAが26、MACDシグナルが9に設定する場合が多いと言われています。

トレードステーションのMACDの設定
MACDの具体的な使い方を解説
それではテクニカル分析MACDを利用した売買について解説します。
MACDの売買シグナル
MACDの一般的な売買シグナルは、MACDとMACDシグナルのゴールデンクロスで「買いエントリー」して、デッドクロスで「手仕舞い」です。
逆に、MACDとMACDシグナルのデッドクロスで「売りエントリー」を行い、ゴールデンクロスで「手仕舞い」をします。
まとめると、下記のような関係になりますね。
MACDとMACDシグナルの ゴールデンクロス |
MACDとMACDシグナルの デッドクロス |
|
---|---|---|
買い | エントリー | 手仕舞い |
売り | 手仕舞い | エントリー |
トレードステーションでバックテスト実施時の、MACDストラテジー設定
マネックス証券のトレードステーションは、標準で上記のMACDを利用した買いエントリー、売りエントリーのストラテジー(売買プログラムのイメージ)を用意しています。
下記を用いると、簡単にバックテスト(検証)が実施できます。
⇒参考:トレードステーションのバックテスト機能で投資手法を調べる方法

トレードステーションのバックテストMACDの設定
MACDのゴールデンクロス、デットクロスでの売買事例
では具体的にソニーを使ってで、買い建て時の売買タイミングを確認してみます。
下記のようにゴールデンクロスで買いエントリーを行い、デットクロスで手仕舞いする事になります。MACDが得意なトレンドが発生している相場でご利用を検討する事をおススメします。

MACDを利用した売買事例
それぞれテクニカル分析は、得意な相場局面がありますから、適した指標を利用すると利益になる可能性が高まります。下記のテクニカル分析も参考になさって下さい。
⇒ 株価にトレンドが発生する局面が得意なテクニカル分析の王道・移動平均線
⇒ ボックス相場で威力を発揮:逆張りシグナルを出すRSIとストキャスティクス
基本的なテクニカル分析に関連するコンテンツ一覧

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