過去最大のM&Aを発表した日立製作所、投資判断は静観
日立製作所は、課題発掘・システム構築・メンテナンスまでの総合サービスを提供する企業への変革の真っ最中です。
また、収益強化のために過去最大規模の買収を発表しています。M&A後に、減損処理を発表する羽目にならなければ良いのですが。日立の今後には、注目です。

日立製作所のポイント
- 2018年通期は、増収増益。前期比で当期利益は、390億円増加の見込み。
- 総額3兆円の英国原子力発電所建設計画が難航中。撤退を視野に入れはじめた。
- スイスABBの電力システム事業を7000億円で買収する事が決定。
(2018年12月23日更新)
動画で解説、日立製作所(6501)の株価予想@2019年01月11日
IoTの時代に備え、製造業からの脱却を目指す巨人・日立製作所
日立製作所の事業領域は、幅広いです。ITサービスを提供する情報・通信システムと、鉄道全般のシステムを提供する社会・産業システムが両輪です。
・情報・通信システム:ITサービス(コンサル・システム構築、運用・保守・サポート)
・社会・産業システム:鉄道車両・運行管理システム、発電・送変電システムを提供。
・電子装置・システム:半導体製造装置、電子部品加工装置などを提供。
・建設機械:建設機械の販売からサービス・メンテナンスまで提供。
・高機能材料:材料・部品(特殊鋼、電線、半導体材料、合成樹脂加工品など)を提供。
・オートモティブシステム:自動車機器・関連システムを提供。
・生活・エコシステム:キッチン・家事製品、住宅設備機器、冷凍・空調機器を提供。
・その他:光ディスクドライブの製造・販売、不動産業など
モノを単に販売するのではなく、顧客の課題発掘・実際のシステム構築、その後のメンテナンスまで、トータルソリューションを提供する企業への変革を進めています。来るべくIoT時代に備え、今後は4領域に絞って、集中的に投資していく方針です。
日立製作所の収益性は、製造業の中では高水準
過去のビジネスモデルが崩壊した企業の営業利益率は、低下するものです。そこで、日立製作所の過去5年の営業利益率をチェックしてみました。
事業別の利益率は、3~10%です。製造業の中では、良い方です。ただ、リスクの高い原子力発電、過去最大の電力事業の買収など、今後も安定して収益をたたき出せるのか、注目するポイントになりそうです。
原子力発電や過去最大の買収となる電力部門のリスクが気になる
2018年10月26日の決算発表では、今期業績が増収増益に落ち着きそうです。当期利益が増加しているので、数字の面だけに注目すると好調そうには見えます。
しかし、原子力発電の問題が気になります。英国で総額3兆円の原子力発電所の建設計画が難航しているのです。
日立の英原発事業、電力大手との出資交渉難航:日本経済新聞 https://t.co/hYrAgCbCDJ
— 株価予想は本当に当たるのか? (@investmentsstoc) 2018年12月16日
東芝の原子力事業では、巨額な損失を出しました。日立製作所の原子力部門の将来のリスクが非常に気になります。
日立製作所、「東芝」化の危険…「撤退できない」英国原発事業で巨額損失リスク浮上|ニフティニュース https://t.co/NX7i4Q4zRJ
— 株価予想は本当に当たるのか? (@investmentsstoc) 2018年12月22日
また、収益強化のために世界最大手スイスABBの電力システム事業を買収すると正式発表しています。M&Aの金額は、過去最大の7000億円です。
日本企業のM&Aは、数年後に期待した収益を上げられずに巨額減損となる事が多く、良い印象がありません。今後の業績が本当に上向くのか、判断が難しいところです。
電気を発電所から企業や家庭に届ける送配電などの電力システム事業を、世界最大手のスイスABBから買収。日立が手掛けるM&A(合併・買収)として過去最大。
— 株価予想は本当に当たるのか? (@investmentsstoc) 2018年12月17日
日立、ABBの事業を7000億円で買収発表:日本経済新聞 https://t.co/eHpPcZfDO7
買い場となりそうな価格帯になってきたが、静観する投資判断に
さて、日立製作所の今後の株価を分析してみます。月足10年チャートでは、2009年からの上昇トレンドが崩れていません。投資家達の期待は、まだあるという事でしょう。
2016年の底値を参考に、支持線を書いてみます。日立の株価は、2500円までは下落するのかなとの感じです。
もしも、2500円を下抜けした場合、2016年の底値2000円が次の支持となります。ここでも株価が止まらずに暴落すれば、どこまで下がるか分からないです。
●月足10年チャート
チャートのみで判断するならば、そろそろ買い場になりそうです。ただし、原子力事業や巨額買収案件の今後がよく分からないので、積極的に買いたいと思えません。
日本、米国市場が極めて不安定ですし、相場環境が良くありません。将来性のあるイメージをできる株に資金を投じたいと考えています。
これまでの日立製作所は、支持線で購入していれば儲かっていた
テクニカル分析に重きをおいて、投機的な売買に挑戦する手もありだと思います。なぜなら、これまでも日立製作所は支持線で反発する傾向が強かったからです。
2017年11月11日に日立製作所をチェックした際は、株価が割高すぎたので投資を推奨しませんでした。高値園で買えないと発言した直後から、暴落して今の株価に達していますので、相場感は正しかったと自負しています。
※ 日立製作所は、2018年9月26日に株式分割(1株 ⇒ 0.2株)しています。
日立製作所をテクニカル分析中心で売買判断するならば、2016年10月頃に株を買います。1,000株500円で仕込んで、2017年1月頃の高値650円付近で売却するでしょう。
残念ながら、半年程度の保有スタンスで売買するので、天井まで保有できていないと思います。それでも50万円の投資で、利益が15万円(利益率30%)となりますので、十分な利益を確保できたはずです。
日立製作所の概要
・企業名(銘柄コード):日立製作所(6501)
・上場市場:東証1部
・業種:電気機器
・最低購入単価(単元株数):30万4,800円(100株)
・時価総額:3兆1,262億円
・利益剰余金:2兆2,821億円
・有利子負債:1兆2,014億円
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日立製作所の売買をする場合にお勧めの証券会社
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