キャッシュフローで資金繰り状態をチェックする方法

キャッシュフローを見て、倒産する可能性のある企業か判断する方法

企業の株を買った際に、保有する銘柄が倒産しないか?投資を始める人にとっては、株式投資が怖いと感じる理由の一つだと思います。業績が悪いと株価が暴落しますし、倒産してしまうと保有株が紙屑になって、価値がゼロになりますからね。

倒産した企業の従業員


本コンテンツでは、投資対象の企業が投資時点で倒産する可能性があるのか?ないのか?そのあたりの判断をする方法について、解説します。

(2016年7月7日公開)

そもそも会社が倒産するって、どんな時!?

実は利益が出ていても、会社は倒産します。意外だと思うかもしれませんが、単純に赤字では、倒産しないのです。黒字倒産という言葉を聞いた事は、ありませんか?売上があっても、決算上の数字が黒字でも、会社は急に倒れてしまう事があるのです。

では、どんな時に倒産してしまうのか?それは、資金繰りが困難になった時、つまり手元の現金が足りなくて、経費などの支払いができなくなった時です。

例えば売上があっても、実際に現金が手元に入るのは1年先だとします。でも数か月後に、支払いが必要になるとしたら手元に現金がないので支払えませんよね?こんな時に決済が出来なくなって、会社は倒産するのです。

サラリーマンは気にしませんが、経営者はみんな日々の資金繰りに苦労しています。企業の血液である現金を絶やすと、すぐに息の根が止まる(倒産)からなんですね。

キャッシュフローを見ると、投資先企業の資金繰り状況が一目で分かる

ある時点における会社の資産・負債・純資産の残高を示す貸借対照表を見ても、資金繰りは分かりません。

同じく、ある一定期間の損益(利益を出しているのか?損しているのか)を表す損益計算書でも会社の血液である現金が回っているのか?判断できません。


では、何を見れば良いのか?答えは、キャッシュフローです。


上場企業は全て、一定期間における現金や現金同等物(預金、公社債券など)の流れを表したキャッシュフロー計算書を提示しています。企業の生命線である資金繰り状況を一発で把握できるキャッシュフローを見る事は、とても重要です。

下記をご覧ください。カブドットコム証券トヨタ自動車のキャッシュフロー推移を確認したものを転載してみます。

トヨタ自動車のキャッシュフロー

トヨタ自動車のキャッシュフロー


それぞれの項目を簡単に説明すると、下記のようになります

営業CF(キャッシュフロー)  

 ⇒ 営業活動によるCF(主に売上・仕入・経費に関わる収入と収支)の事。    
   本業の活動によって得られた現金。
   ここがマイナスだと、現金不足に陥りやすい。

投資CF(キャッシュフロー)  

 ⇒ 投資活動によるCF(固定資産や、投資有価証券の購入と売却)の事。
   通常は固定資産や投資証券を購入する事で、マイナスになるのが正常。
   営業活動で儲けた現金を、どのように投資に回しているのか?の判断になる。

財務CF(キャッシュフロー)  

 ⇒ 財務活動によるCF(借入、増資による収入、借入返済による支出)の事。      企業運営が正常だと借金を返すので、マイナスになるのが正常。
   お金が不足したり、事業を拡大する場合は資金を借り入れてプラスになる

現金同等物  

 ⇒ 換金が容易で、会社が保有する資金。
   資金繰りが悪化してくると、この数字が減少してくる。


ざっくりになりますが、


今期の現金同等物 = 営業CF + 投資CF + 財務CF + 前期の現金同等物

のような関係になります。本業で稼いで、その範囲内で資産購入や借金を返済すると現金が増えるという事です。自分達の家計で考えると、よりイメージできますよね。

参考にキャノンのキャッシュフローでの計算結果を、確認してみましょうか。

633,613(今期2015/12の現金同等物) 

=  474,724(営業CF) - 453,619(投資CF) - 210,202(財務CF)

   + 844,580(前期2014/12の現金同等物)+ 為替変動による現金同等物の影響

キャノンのキャッシュフロー

キャノンのキャッシュフロー


最終的な現金同等物は為替の影響も受けるので完全に一致しませんが、いずれにせよ本業で現金を稼いで営業CFをプラスにしないと、企業活動としては先行きが非常に危険であるという事になります。

具体的にキャッシュフローを見て、企業の評価をする方法

では営業CF、投資CF、財務CFの状態で、簡単な企業の判定ができる下記一覧表をご覧ください。

企業の評価 営業CF 投資CF 財務CF
優良企業
通常企業
危険企業


最も優良な企業は、本業で儲けており(営業CFがプラス)、投資活動を行って(投資CFがマイナス)、借金を減らす(財務CFがマイナス)状態になっています。

ただし事業を拡大する為に借入を行い、資金調達する事も考えられます。よって通常の企業であれば、本業は儲けており(営業CFがプラス)、投資活動を行い(投資CFがマイナス)、規模拡大等の為に借金でお金を調達(財務CFがプラス)状態になりますね。

で最も問題のある危険な企業は、本業が思わしくなくて現金が入らず(営業CFがマイナス)、資産を売却して現金を無理やり作り(投資CFがプラス)、さらに借り入れしてお金を調達(財務CFがプラス)する状態になっています。


具体的に、各企業のキャッシュフローを見てみましょうか。

まず隠れた超優良企業の一つであるファナックをご覧ください。

ファナックのキャッシュフロー

ファナックのキャッシュフロー


営業CFがプラス、投資CF、財務CFがマイナスで現金も増加しており資金繰りの問題を感じません。ただし優良企業だから必ず儲かるという訳でなくて、下記のように株価が下落する場合もある訳でして、大儲けする為の指標と考えるのは少々危険です。

ファナックの株価

ファナックの株価


次に世間を賑わせたシャープを見てみましょうか。例えば2013年度の決算を見ると営業CFがマイナスで資金が葛藤しており、資産売却や、借り入れをした事で投資CFや財務CFがプラスになっています。

ただし危険な企業だとしても、企業の生命線である資金が回り続ける、つまりお金を借りれる限りは存続します。イメージとしては奥さんが自営業で赤字だけども、旦那の給料で補てんすれば商売が続けられますよね?

そんな状況な訳です。銀行や国が資金を提供して、企業の生命線である現金が回る限り倒産はしません。

シャープのキャッシュフロー

シャープのキャッシュフロー


倒産はしませんが下記チャートのように株価が下がり続ける可能性が高く、結局は投資で儲ける事が難しいので、手を出すべきではないでしょうね。

シャープの株価

シャープの株価


同じく話題の東芝も、キャッシュフローの状況をみると危険な状態である事が良く分かりますね。本業で現金が入ってこない状態は、ものすごく危険なことなんです。

東芝のキャッシュフロー

東芝のキャッシュフロー


基本的に営業CFがマイナスの状態で本業が儲かっていない企業は、候補から外した方が無難ですね。



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