All Aboutの推奨株主優待銘柄の評価・2015年9月版

散財前提の食事券を提供する株主優待には注意せよ

銀行の金利が雀の涙であるのに、利回りが11%を超える株主優待銘柄を見ると、今すぐにでも飛びつきたくなるものです。その上、永久保有したくなるのではないでしょうか?

All aboutの推奨株主優待銘柄2015年9月権利確定

参考:All About の株主優待情報より


ですが金融関係者がお得感があるように宣伝する情報ほど、裏があるものです。これらの銘柄は本当に我々に価値を提供してくれるのでしょうか?内容を精査してみましょう。

(2015年8月8日公開)

株主優待として特選牛が貰える「うかい(7621)」は、お得に感じる

All aboutの推奨株主優待銘柄としてご紹介されている「うかい(7621)」は、約28万円程度の投資資金が必要で、配当金+株主優待の合計利回りは7%となっています。株式セクターの年率パフォーマンスは平均7%程度と言われている為に、魅力的に見えるのでしょう。

うかいの株主優待である牛肉

株主優待券を良く見てみると、「うかい特選牛」も獲得できるプランもあるために、悪くない株主優待銘柄かと思います。ただし現実的に活用しようと思うと、利回りは少し下がるかと思います。

項目 内容 備考
銘柄名(銘柄コード) うかい(7621)
予想配当 +
予想優待売却利回り
7.0% ※ 2015/7/28時点で
2,770円で購入した場合
優待サービスが
不要な場合の利回り
(配当のみ)
0.54% 1株当り15円
優待内容 箱根ガラスの森 株主様限定 お食事付入場招待券(1万5000円相当) 株主様お食事優待券(1枚3,000円) 100株以上

※お食事付入場招待券と、株主様お食事優待券の合計1万8000円と評価


食品を貰える株主優待は、非常に重宝しますね。「うかい特選牛」を選んだ方が無難に御家庭の家計の足しにもなるかと思います。

もう一つの株主優待券である「箱根ガラスの森 株主様限定 お食事付入場招待券」は、1名で1枚利用可能な3000円相当の食事券が5枚獲得できます。

少々利用する敷居が高いと思いますが、年に1度箱根に家族旅行をする方などはメリットがあるかもしれません。

うかいの株主優待割引券

高頻度でマルシェ(7524)の居酒屋をご利用なさる方以外に価値なし

配当金と株主優待の総利回りが7.8%のマルシェ(7524)も、一見するとお宝銘柄に見えてしまいます。株主優待券は、下記のように飲食割引券です。

マルシェの株主優待割引券

実際に食品が貰えるのでは無く、ある程度の出費を覚悟しての外食が必要になる事を考えると、少々お得感が薄れてしまいます。散財が前提の株主優待券になりますね。

項目 内容 備考
銘柄名(銘柄コード) マルシェ(7524)
予想配当 +
予想優待売却利回り
7.8% ※ 2015/7/28時点で
897円で購入した場合
優待サービスが
不要な場合の利回り
(配当のみ)
1.1% 1株当り10円
優待内容 株主優待飲食券
(1,000円) 年間6枚
100株以上

※ 1000円の株主優待券を年間で6枚獲得(株主優待は6000円で評価)


マルシェは、下記のようなグループ店舗(居酒屋チェーン)を全国に構えている為に地域に関係なくご利用は出来ると思います。

マルシェの店舗

ただし、「ご飲食1回につき、お一人様1枚のご使用」条件になる上に、居酒屋で多額の外食を繰り返す事を考えると、出ていくお金の方が多いでしょうね。

マルシェグループの居酒屋を、高頻度でご利用なさる方以外にはメリットは薄いと感じます。

ワタミ(7522)の売り上げに貢献しないと、株主優待がフル活用できない残念な状況

一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を拡大していたワタミ(7522)の配当金+株主優待の総利回りは、11.7%です。必要な投資資金も10万円程度と少額で良いです。

ワタミの株主優待

SBI証券より画像拝借



実は株主優待券を利用されない場合の配当利回りは0%である上に、散財して多額の出費が前提での株主優待である為にお得には感じません。

項目 内容 備考
銘柄名(銘柄コード) ワタミ(7522)
予想配当 +
予想優待売却利回り
11.7% ※ 2015/7/28時点で
1,027円で購入した場合
優待サービスが
不要な場合の利回り
(配当のみ)
0% 1株当り0円
優待内容 優待券(500円)×12枚 100株以上

※ 優待券(500円)を年間で24枚獲得(株主優待は1万2000円として評価)


利回りだけを見る非常にお得に感じます。ですが下記のような「ワタミ」の関係店舗でランチタイムにご利用できない点は非常に残念です。

ワタミの株主優待が利用できる店舗

夜の居酒屋でしか基本的に利用できない上に、1人あたり1回2枚までしか利用できません。11.2%の利回りを実現するために、多額の外食をする必要があるのは本当に家計にメリットがあるのでしょうか?

頻繁にワタミグループ店をご利用なさるお方以外には、メリットは無いと断言できます。

多額の出費が必要になる株主優待券は、基本的にお得とは思えない

多くの企業が株主優待として色々なサービスを提供していますが、表面的な利回りが高い銘柄ほど、企業の売上に貢献する必要があるものばかりです。

つまり家計的に助かったと思って銘柄に資金を投入しても、株主優待をご利用するために多額の散財をする羽目になるという事です。

しかも散財前提の銘柄程、下記のように配当金のみの利回りは雀の涙状態です。相場の価格変動リスクも背負う訳ですから、万人にメリットがあるとは到底思えないですね。

銘柄名 配当+優待
利回り
配当のみ
1位 ワタミ(7522) 11.7% 0%
2位 マルシェ(7524) 7.8% 1.1%
3位 うかい(7621) 7.0% 0.54%

基本的には、余計な出費が不要で食品などを直接貰えるような株主優待のみに着目するのが一番、無難な戦略かと思います。

1点だけ注意する点を述べるならば、永久保有するつもりで株主優待銘柄に資金を投じる事もリスクがあるという事です。

参考コラム:株主優待銘柄を長期保有して痛い目にあった事例

世間のお得感のある情報に惑わされずに、投資している(相場に参加している)という点も意識しつつ、御仁にとって価値ある株主優待銘柄をご利用なさると良いかと思います。

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